2011年5月3日火曜日

わたしを離さないで



原作は日系イギリス人カズオイシグロの同名小説。
見るか見ないか迷いましたが、bunkamuraが火曜日サービスデーなので見てきました。
ネタバレはみないように気をつけていたんですが、テレビで美保純が盛大にネタバレしていてガーン!って感じでした。まあ美保純だから許すよ・・・ というか、私が想像していた通りだった。


この世に生まれてくるときに、すでに目的や使命をもっている人間がいるだろうか、いや、多分いない。ほとんどの人が親から幸せに生きて欲しいという願いだけこめられて生まれてきた。でも、この物語にでてくるキャシー、トミー、ルース、ヘールシャムの子供達は違う。みんなとある目的を持ってこの世に誕生した。ヘールシャムという施設で暮らしている彼らは徹底的な体調管理とアートに力を入れた教育を受けている。そんな中、キャシー(キャリー・マリガン)はいじめられっこのトミー(アンドリュー・ガーフィールド)に淡い思いを寄せていた。しかしやがて彼らはヘールシャムをでて共同生活を始めることになるが、トミーはキャシーの友達ルース(キーラ・ナイトレイ)と付き合いだし、キャシーは孤立してしまう。


惜しい映画だとおもいました。原作読んでないのですが、原作のよさを出し切れてないんじゃないのかなと思いました。ところどころ胸を打つような悲しいシーンがいくつかありましたが、盛り上がりに欠けるまま終わってしまった印象。俳優は申し分ないので、多分脚本なのかなあ。後すこし説明不足の面もあって残念でした。("もしか"のことが最後まで良く解らず、ネットでその意味を知りました。)でも、おさえた感じの色彩とか美しい風景は本当によかったと思います。


俳優はすばらしかったです。キャリー・マリガンはやっぱりかわいい!17歳の肖像ではまだちょっと幼い印象だった彼女ももうすっかり大人になって・・・。実は彼女のこと、『奥様は首相』っていうイギリスのドラマに出てたときからかわいいなって思ってたんですよね。でも、こんなに大物になるだなんて思わなかったよ。アンドリュー。ガーフィールドのちょっと金髪がかった髪の色もかわいかったし、キーラ・ナイトレイは他にあんまり作品みたことなかったんだけど、ちょっと意地悪な憎まれ役だけど繊細なキャラクターが合ってた。後、校長役のシャーロット・ランプリング。若いときとまた違った味がでてていいですね。出番こそ少ないですが、印象的でした。若いときからずっと活躍してる俳優って、魅力的です。後、キャシーの幼少期役の子!どこで見つけてきたんだってくらいキャリー・マリガンとそっくりでびっくりしました。


後、彼らの衣装が興味深かったです。ヘールシャムではみんな普通の制服着てるんだけど、外に出てからはなんかみんな垢抜けない感じの服ばっかりで。でもキャシーは介護士として働き始めてからはちょっと垢抜けた感じのおしゃれな服着てて、でもトミーやルース、提供者として生きている2人はまだ垢抜けない格好のままで、3人が並ぶとああやっぱり普通の人と違うんだなあなんて思ってちょっと切ない気持ちになりました。レストランのシーンとか他にも色々他の人たちと違いが表現されてるシーンはありましたが、自分が一番違いを感じたのはやはり衣装ですね。


かっこよすぎてどうしようもないアンディ

でもそんな彼らだって魂を持ってるんだ、っていうのがやっぱり悲しかった。つらすぎるよ。彼らの人生に心があったら。見てるときは気づかなかったけど、キャシーが『私だってセックスしたいって思ったときもある』って言ったときに、トミーが『性欲は誰にでもある』っていったシーンは、やっぱり彼らも普通の人と同じような感情や欲求があるっていうのの表れなんだね。でもやっぱり彼らは普通の感覚を持ち合わせてなくて、それゆえに間違った希望をもってしまった彼らの最後はすごく悲しかった。






テーマソングが本当にすばらしいですね。劇中でキャシーがトミーにもらったこれのカセットテープを聞きながら枕を抱きしめてるシーンがいい。カセットテープっていうのがいいよなぁ。子供が聞く歌じゃないだろ!って思ったけど笑 エンディングでこれ流してくれてたら、ありがちだけどやっぱり泣いてたかも。

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