STORY
倦怠期を迎えた大学教授のジョージ(リチャード・バートン)とマーサ(エリザベス・テイラー)はある夜同じ大学の教授ニック夫妻を家に招く。酒のまわりはじめたジョージとマーサは次第に互いを罵り合い始める。最初は帰ろうとしたニック夫妻であったが、夫婦のの『息子』の存在を知ったことで、壮絶な『心理ゲーム』に巻き込まれていく。
追悼エリザベス テイラーということでみました。原作は同名の戯曲。そのため登場人物が4人だけ。この作品でテイラーはアカデミー賞主演女優賞に輝きました。当時32歳のテイラーは52歳のマーサを演じるために70キロまで太り、声を枯らして挑んだそうです。ルックスは一般的な『美しいエリザベス・テイラー』のイメージとは違う感じですが、でも演技がすごくよかったですね。アカデミーは肉体改造系が結構好きだよね。今回のクリスチャン ベール然り。しかも、この作品の撮影当時バートンとテイラーは実の夫婦だったんです。そして実際の2人も常にところ構わず口論していたらしいです。そう思うと、確かに生々しい感じはしましたね。
とりあえずネタバレしちゃうと、この夫婦には結局子供がいなかったわけです。二人とも架空の子供の話をしていたんです。マーサにとってその『子供』を夫婦をつなぎとめる最後のものだったのかもしれませんが、結局その『子供』が夫婦関係を一層悪くしていたように感じます。マーサが瞳はブルーだっていったらジョージはグリーンだっていうし、マーサが難産だったっていえば、ジョージは安産だっていうし、ジョージも中盤でさらっと『マーサは想像妊娠なんてしたことない、ましてや妊娠もしたことない』って言ってるんですよね。マーサは現実と向き合えず空想にひたり、ジョージは現実を見ていたがマーサと向き合うことができなかったんでしょう。この夫婦のバトルは、一見互いを傷つけあっているように見えますが、実はお互いと真剣に向き合うためのものだったんだと思います。
右ジョージ(リチャード・バートン)と左マーサ(エリザベス・テイラー) |
この夫婦のバトルもおもしろいけど、お客の2人がどんどん狂いだしていくのも面白かったです。奥さんは泥酔状態でずっとゲロはいてて、ニックも平常心を保っているように見えてなんで奥さんと結婚したかの本音を暴露しちゃったり、マーサとFUCKしちゃったり・・・ 結局この夫婦もわけありだったんですよね
FUCKっていうと、この映画はハリウッド史上初のFUCKというセリフを使った映画だそうです。そのために18禁映画としての公開だったみたいだけど、今普通にFUCKって使ってるよね。
最後に、数あるエリザベス テイラーの作品の中でなぜこれを選んだかというと、私が大好きな手塚治虫の『七色いんこ』という作品の中にバージニアウルフの話がでてたからなんです。おもしろいので是非読んでみてください
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